「ヤマト2202を見た回数はちょっともう分からないのだが、劇場では三回見た計算になる」
「それで?」
「本当は1回で十分だと思っていたのだがね。結局、三回見たことで見えてきたものもある」
「何が問題だったんだい?」
「ヤマト2199を見た時と同じ疎外感を感じた。要するに自分はもう用の無い人間なのだろう。【君たちはヤマト2202を見て面白かったかね? そうかならOKだ。それ以上言うことは何も無い】という心境だ」
「これはもう自分の見るものではないと思ったわけだね」
「そうだ。自分から見ると問題だらけだが、ネットは絶賛ばかりだ。これで良いのならそれで良いのだろう。自分の出番は無い。さらばだ」
「ちょっと待て。それではこの場の話が進まないぞ」
「ここから先は、ヤマト2202に感動しなかった少数のひねくれ者だけの地下秘密トークということにしよう」
「さらばと手を振るムードじゃない、なのだね」
ここから先はみんな帰れ・ひねくれ者だけの地下秘密トーク §
「ヤマト2202第1章には非常に多くのストーリー上の不整合が存在する」
「たとえば?」
「以下はあくまで一例だ」
- 「古代進は地球を救ったぞ」と叫んでいるにも関わらず実際には救っていない
- 別に何も悪いことをしていない古代進が叱責されている
- 真田にやらせたわけでもないのに、なぜか真田のしたことまで古代の罪になっている
「で、君はそれについてどう思ったのだね?」
「最初はね。どこを切っても出来が悪い、酷い作品だなあと思ったよ」
「最初は、ということは別の感想もあるわけ?」
「そうだ。どうも本来は古代進が命令違反をして地球を救う話だったようだ。真田はあくまで補助的な役割しか果たさなかったのだろう。そう思うと、確かに古代は地球を救って叱責されていることになるし、真田は自分にも罪の一部があるのに古代にだけ罪があるような形になって悪いと思っている話に筋が通る」
「で、そうだとすると、どうなんだ?」
「ヤマトよ永遠にを思い出したよ」
「本来は仮死状態でイカルスに行くから【連絡艇に生命反応は無かった】というアルフォンは誠実な対応だったはずはなのに、仮死状態のシーケンスがカットされたのにアルフォンの台詞は変更されないから卑劣な嘘つきになってしまったわけだね」
「そうだ。本来用意された時間調整用の切り代を正しく切っていなかったり、ここを切るならここの台詞も変更しなければ整合性が取れなくなる箇所がそのまま残るとか。そういう不整合が発生することは割と多い。ヤマトよ永遠にもヤマト2202も同じだと思う」
「できるだけ修正箇所を少なくするのはダメな対応で、変更の必要を発生させるなら大々的に全部変更して整合性を取るべきなのだね?」
「理想論で言えばそうだな」
「で、なぜヤマト2202からは整合性が失われたと思う?」
「スポンサーの意向だろうと思うよ」
「えー」
「結局、スポンサー的には古代を活躍させるよりメカを活躍させろってところではないかな。この第1章、無駄な戦闘シーンが多すぎる」
「ストーリーの整合性よりそっちが優先されるの?」
「それが大人の世界だろう」
オマケ §
「で、古代を活躍させるよりメカを活躍させることに成功していると思う?」
「いや、そうは思わない」
「たとえば?」
「大げさな前振りで登場して拡散波動砲を撃った割に大戦艦一隻を沈められないアンドロメダとか。あれはメカの宣伝としてはイマイチでは?」
「えー」
「ついでに、四隻並んで進水する同型艦も、一つ一つに個性を与えれば全部揃えようと思うかも知れないが、あれだけでは一つで十分な感じ。アンドロメダっぽい形を与えられた主力戦艦に過ぎない」
「色や形が違うよ」
「何回も見ないとそこまで認識できないよ」